第五章  安らげる場所

「大丈夫?」


ベッドで突っ伏している真佐海の傍で、統馬は何度も確認するように尋ねる。


「うん、大丈夫だから」


心地のいい空気に包まれ、真佐海は再び睡魔に襲われた。


「すみません、オレ・・・・・・」


柄にもなくおろおろとしている統馬に、真佐海は思わず笑ってしまった。


「女じゃないんだから、大丈夫だって。それより、もう敬語使わなくていいよ」


暢気に笑う真佐海に、やっと安心した統馬がようやくベッドへ潜り込む。


「明日・・・・・・じゃなくて、今日、定休日ですよね?何か、予定あります?」

統馬が無理をして敬語を使っていたのではないかと思ったから言ったのだが、そうではないと知って、真佐海はそれ以上言わなかった。


「周助に荷造り頼まれてたんだ。それやらなきゃ」


あまりの心地よさに、真佐海の瞼が自然に下がっていく。


「じゃあ、起きたらそれ手伝います」


目を閉じたまま小さく頷いて、真佐海は静かな寝息を立て始めた。


統馬は眠った真佐海を暫く眺めていたが、暫くすると、仄かな明かりを点けたまま眠ってしまった。